休職者続出の組織が応援しあう組織に? 〜チームメンバー間の意思疎通のきっかけになったグループチャットの使い方〜

こんにちは!
平本式サブ講師の平川 宗ことマッハです。

仕事も上司も「嫌いじゃない」
でも、なんだか職場の居心地が悪い

以前、私の職場はこのような状況でした。

社会人の2年目の6月に1人。7月に1人。
そして翌年に2人、と相次いで先輩や同期が休職してしまったんです。

当時は「この職場で何が起こっているの?」と、言いようのない不安を感じていました。
ただ、残念ながら私にはその原因が分からなかったんです。

でも、仲の良かった先輩が休職したことがあまりにも悔しく、

・原因はなんだったんだろう?
・どうしたら休職しなかっただろう?

と、自分なりに徹底的に考えて、目的論コミュニケーションなどを実践してみました。
その結果ありがたいことに、今は誰も休職しない職場になり、売上もチーム全体で追うことができています。

本記事では、

  • そもそも何がこの「不安感」の原因だったのか
  • 私がこのチームでどんなことを行ったのか
  • その関わりによって何が変わったのか

これらについて、具体的にお伝えできたらと思います。

 

マッハ

もし今、あなたのチームの居心地が悪く、なんとかしたいな、とほんの少しでも感じていらっしゃるのであれば、この記事が参考になると思います。

 

指導担当だった先輩が突然の休職へ

私の会社では部署に配属されてから半年間、「指導担当」として先輩が新人の面倒をみる制度があります。

私の指導担当だったNさんは、優しいお兄さん的な存在で、

  • 営業計画の立て方
  • 飲み会の企画
  • 送別会の準備

など、何でも相談できる方でした。

マッハ

社会人として右も左もわからない中、いつも優しく、時には厳しく、僕を育ててくれた、大恩人です!

社会人として右も左もわからない中、いつも優しく、時には厳しく、僕を育ててくれた、大恩人です!
その半年後、指導担当も卒業のタイミングで、Nさんからこんな盾をいただきました。

マッハ

この盾に「永遠のブラザー N」と書いてあることがすごく嬉しかったです。

「お前はどうしたいの?」いろんなバックグラ

また、Nさんから大きなお客さんを引き継いだこともあり、
「Nさんから貰ったバトンをつながなきゃ!」と、必死に仕事をしていた矢先。

社会人2年目の6月に、Nさんが休職されました。

「え?なんで……?」というのが素直な感想です。
ですが、Nさんに聞く勇気もなく、弟分としては何も察知できなかったことに、強い悔しさを覚えました。

さらに1ヶ月後

さらに1ヶ月後、今度は別の先輩も休職になりました。

その先輩は2ヶ月前に異動されてきたばかりでしたので、意図的に声もかけていたんです。

ですので、この時も「え?どういうこと?」と、強い衝撃を受けました。
そして「あれ?なんか繰り返してないか?」と、思ったと同時に、

・また自分は察知できなかった
・組織や内部に問題があるんじゃないか?

と感じていました。

でも、

・社員同士は仲も良い
・社内のストレスはないはず
・人材派遣という商材が原因??

と、私には当時、何が原因か分かりませんでした。

職場でその方の座っていない机を見て、

「自分は何も変えられない」
「自分がいても何も良くなっていない」

と、無力感でいっぱいでした。

職場の方は、皆さん「いい方」で、その方々が不本意に職場を離れることが、私にはとにかく悔しかったんです。

そして目的論コミュニケーションを学び

平本式では、20代の方向けに「奨学生制度」があります。
「奨学生制度」を利用して3ヶ月コースで学び、私個人の営業成績は大きく伸びました。

(詳しくはこちら >> 苦労の営業から表彰まで。目的論コミュニケーションを学んだことで起きた変化

「自分は変われた」という実感があり、現変で学んで良かった!と思っていたのですが、
一方で「組織」に対しては、あまり貢献できていないかも、とも感じていました。

そんな折、またしても休職者が出ます。
今回は、私と仲の良い同僚でした。

しばらく連絡も取れない状況が続き、上司が同僚の家を訪問した時、同僚は衰弱していて、会社の携帯に触れなくなっていたそうです。

マッハ

同僚は社内でも顔が広く、「アホなことを一緒にやる仲間」でしたので、信じられませんでした。もしかしたら同僚が家で亡くなってたかもしれない、と思うと本当に恐ろしかったです。

その後さらにもう一人休職され、
「この職場で何が起こってるんだ?!」と真剣に向き合おうと思ったんです。

当時は、大切な人が私の手からこぼれ落ちていく感覚でした。

それまで私は、現変で学んだコミュニケーションは主に顧客に対して行っていました。
でも、「もうこんな別れ方をするのは絶対に嫌だ!」と思い、意識して社内での関わり方を変えていったんです。

マッハ

「誰かの役に立ちたいし、助けになりたい」
これが私の価値観です。

社内をなんとかしないと!と強く思いました。

 

組織の課題は「個人事業主」

あらためて組織の課題を考えてみました。

当時、最もしっくりくる仮説は、

  • 「しんどさ」のはけ口がない
  • 組織のメンバーが個人事業主みたいに孤立している

この2つでした。

私のいる部署は「全社で最も生産性の高い職場」と呼ばれていて、優秀な営業マンが揃っています。
一人当たりの売上や営業利益が社内と比較しても高い組織と、社内でも有名でした。

しかし私達の職種の性質上、売上と比例して増えるのがトラブルやイレギュラー。

みんなお互いに無関心ではないですし、声も掛け合っていますが、こと仕事に関しては「自分一人で解決しないと!」という状態でした。

そのため、

  1. しんどいことがあっても誰にも言わない
  2. 個々人のやりがいでなんとかしようとする
  3. 限界を迎える
  4. 休職する

このようなパターンがあるように感じたんです。

マッハ

コミュニケーションについて学んでいたことが、組織での課題の発見に役立ちました。
発見したら、もちろん次は行動です。これら2つの仮説について、何ができるかを自分なりに試行錯誤してみました。

 

グループチャットで社内コミュニケーションを活発に

まず私が取り組んだのは、組織のメンバーを「個人事業主」から「組織の一員」とすることです。

当時は「しんどさ」を「社内の誰かに発信するスキル」が求められていたように感じます。

しかし、「しんどさ」を発信する仕組みをどう作って良いかは分かりませんでしたので、まずは、社内のコミュニケーションを活発にしようと考えたんです。

具体的に言うと、

それまで私の部署では、新しい契約をいただいても、

「〇〇と契約いただきました。」

と、1〜2行でグループチャットにさらっと書くだけでした。

「契約を取るのなんて当たり前」というプロ意識もあったんだと思います。

そこで私は、グループチャット上で「7秒コーチング」を積極的に使いました。

※7秒コーチング:人とすれ違う一瞬(7秒程度)の間に、「いつもありがとう」「ここが良かった」「〇〇さんが喜んでたよ」と伝える手法です。現変では言葉で伝える手法を学ぶのですが、グループチャットに応用しました。

チームメンバーから報告が入ると、

「何が契約につながった決め手ですか?」
「みんないい動きをしているんですね〜!」
「このスピード感すごいですね〜!」
「僕も案件決まりました!」
「このままで目標達成できたら嬉しいよね!」

など、と積極的に、みんなが「こだわっていそうなところ」や「できているところ」を伝えまくりました。
すると面白いことに、次第にその報告の内容が細かくなっていったんです。

 

マッハ

自分の「こだわり」や「できているところ」を認められるって嬉しいですよね!ちなみに今では、契約につながった理由やそれまでの経緯などが、びっしりと書かれています。

 

メンバーの成功事例って自分や他のメンバーの参考にもなりますし、なによりもチームを鼓舞します。
次第に、「もう一件行ってきますわ〜!」と、これまで以上に挑戦的な営業にトライするメンバーも増えてきました。

マッハ

グループチャット一つで、こんなにできることがあるんだ!と驚きましたね。

「しんどさ」を外に出す場

さらにその後、2021年の11月頃だったと思います。

上司に対して「平本式で職場でも使える心理学やコミュニケーションを学んでいます」と、現在学んでいる内容を伝えました。
すると上司から「じゃあやってみて」(ニコッ)と言われたんです。

そこで3ヶ月コースで学んだ目的論コミュニケーションを活用して、上期(4-9月)の振り返りを行いました。
具体的に用いたのは「ライフマップ」という手段です。

※ライフマップ:過去の良かったこと、しんどかったこと、現在のこと、なりたい未来、なりたくない未来について話すことで、なりたい未来へのモチベーションをさらに高めること。

 

マッハ

私自身が平本式でライフマップを初めて歩いた時に、
ああ、自分のモチベーションってここから来てるんだ!と感じたのがライフマップです。

仕事以外のことでもモチベーションになっていると気づいたり、将来への漠然とした不安って「なりたくない未来のことなんだ!」と知ってちょっとスッキリしたり、と、気づくことが多かったんです。

テーマは「上期の振り返り」、参加者は後輩と先輩の計6人でした。

紙と付箋を用意して、まずは「上期のよかったこと」を書いてもらいました。
しかし、誰一人として手が動きません。

みんな「あれ?よかったことなんて、あるかな…?」と苦悶の表情で考え込んでいたんです。

マッハ

この時は、「ヤバい…!この振り返り、全然進まないかも!!」と、心底焦りました(笑)

 

そこですかさず、「上期、しんどかったことを書いてください」と伝えると、みんなが一斉に、「ガリガリガリガリ…!」とすごい勢いで書き始めました。

 

マッハ

みんな本当に大変だったんだな、としみじみ思いました。
そして、「しんどいこと」を外に出す「場」が作れた!と思った瞬間でもありました。

しんどかったことを外に出すと、ようやく「良かったこと」にも意識が向くようになります。
「強いて言うなら、良かったことってなかったですか?」とあらためて問うと、

「このお客さんと取引ができた」
「こういう案件が決まって嬉しかった」
「ありがとうって言われて嬉しかった」
「サボらずに毎日来れたことが良かった」

と、ポロポロと「良かったこと」が出てきました。

その後、

「現在はどう?」
「一年後や二年後はどうなっていたい?」
「どういう未来にはなりたくない?」
「理想の未来は?」

と、ライフマップに沿って質問をし、それぞれ書いてもらった上でみんなで共有しました。

それまで、僕の組織はサークルみたいに仲のいいチームだと思っていました。
でも今回、各々が考えていることや価値観をあらためて共有できたことで、みんなを応援したい!っていう気持ちにまでなったんです。

マッハ

聞いてみないと分からないものだな、と思いましたね!

特に印象的だったのは、
「上期のつらかったこと」で、「休職した人がいて悲しかった」と書いている人が多かったことです。

「僕だけが悲しかったわけじゃなかったんだ!!」と、あったかさを感じられた気がして、より「チームで頑張っていきたいね!」という一体感が生まれた気がします。

一体感の証明となった数字

そしてその月は、それを証明するかのような月になりました。
チームリーダーの売上が、その月はあまりよくなかったんです。

いつもはリーダーが売上を引っ張ってくれていました。
ですので、その恩返しとして「チームのみんなで勝ちたいな!」という意識で営業に臨むようになったんです。

それまでは「自分の数字」がメインでしたが、この時から「チームで売上を追う!」という姿勢になったように感じています。

その結果どうなったかというと、社内でもトップクラスの成績で終えることができました。

マッハ

チームで勝てた!と感じられたので、すごく嬉しかったです。

 

組織変革を振り返って

ありがたいことに、私が「組織を変えたい」と行動するようになってから休職者は出ていません。

組織を変革するために私が意識していたことは2つだけです。

  • 相手と横の関係で、「相手の関心」に関心を持てるか
  • 一緒の目線で物事を見れるか

その結果、「その人のらしさ」が発揮される場面を増やしているのが理想です。

  • 自分が何かを人にやらせる
  • 命令して無理矢理させる

のではなく、

・人に自分から主体的に行動してもらう
・自分から想いを伝える

こんな瞬間を増やせたらいいな、と思っています。

マッハ

まだマネージャーじゃないんですけどね(笑)

今回の記事は、いかがでしたか?

次の記事では、
「自分軸と真逆の生き方をしていた私」からどんな大変化が起きたのか?

仕事以外の人生の転換について、お伝えしたいと思っています。

どうぞお楽しみに!

writing by Takaaki Yasui

 

平川 宗(HIRAKAWA Shu ニックネーム:マッハ)


平本式現場変革リーダー養成コース10期。
大手人材会社にてBtoB営業に従事。常時150名近くのキャリア形成支援を行う。
多種多様な業界・大企業・中小を問わず、求人広告にはない現場の「リアル」を体感。
コーチング・カウンセリングを生かした組織内コミュニケーションや
部下指導、面談での就業支援が功をそうし、社内表彰多数受賞。
明治大学などの教育機関で学生向けの就活講座を担当。

ニックネームは、「マッハ」。伝説のF1ドライバー、「シューマッハ」から。

 

平川さんが担当しているコースはこちら

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