「コミュニケーションが苦手な部下」の対応に悩む上司の方へ

そろそろ原因を探すのはやめませんか?

なぜ、報告・相談をしてくれないんだろう???
なぜ、要点を整理して話せないんだろう???
いくら教えても変わらないのはなぜ???

多くの上司が部下とのコミュニケーションの問題で悩みを抱えています。

報告・相談はもっとこまめにするように!!!
簡単でいいから整理して話してほしい!!!
同じことを何度も言わせないでくれ!!!

言葉ではしっかりと伝えているかもしれません。
依頼口調や命令口調にするなど、伝え方も工夫していることでしょう。

でも、それだけではうまくいかないのが、コミュニケーションの難しいところです。
結果はいつもと変わることなく、

教えても、注意しても、報告や相談が遅い…
話にまとまりがなくてわかりづらい…
こちらが伝えたことを理解していない…

なぜうまくいかないのか?何が悪いのか?誰のせいなのか?
原因を追求し、改善しても、状況が変わらないなら、そろそろ原因を探すのはやめにしませんか?

言葉より先に伝わるもの

さて、ここで一つ面白い実験をご紹介します。被験者がペアになり、一人が目の前のもう一人に向かって、「バカ!」と2回言うだけのシンプルな実験です。

1回目は、
怒鳴るように「バカっ!」と言います。

2回目は、
「ハハハハハ(笑)」と大笑いしたあと、笑顔で「バカっ!(笑)」と言います。

聞いている相手にどんな印象が伝わっていると思いますか?

ご想像の通りです。
同じ人が同じ「バカっ!」という言葉を発しているのに、聞いている相手には全く異なる印象を与えます。
極端な実験なので、馬鹿馬鹿しいと思うかもしれませんが、これは1つの真実を示しています。

多くの人は「言葉」よりもまず「表情や身振り手振り、声の調子」などから「相手の感情」を「本当のこと・重要なこと」として受け取り、言葉の意味づけや理解・解釈は、その後から行われるのです。

つまり、「もっと報告・相談をこまめにするように」というあなたの言葉を、

「無表情で、感情なく言う」のと
「笑顔で、期待の感情を込めて言う」のとでは、

部下とのコミュニケーションに雲泥の差が生まれるというわけです。

わかっていてもできないケース

一歩進んで、あなたの言葉が部下に正しく伝わり、部下も一生懸命あなたの期待に応えようとしている、にもかかわらずうまくいかない、ということもありますよね。

例えば、「話を整理する」について考えてみます。

あなたにとっては、それは当たり前にできること。
だから、部下にも「話は整理して、要点だけ話してよ」と簡単に言ってしまう。

しかし、ある部下にとって「話を整理する」ことが全く簡単なことではないとしたらどうでしょう?

彼らが日常で接しているのは、あなたの頭の中で整理された後のアプトプットです。
それが生まれるあなたの思考プロセス(頭の中)を見ることはできないので、真似することもできません。

スキルやセンスが不足しているその部下を、いくら褒めても叱っても成長するどころか、むしろ、逆効果。
「思考や感情の見える化」を使って、部下の思考パターンを学び、認知のズレを修正することが必要です。

言葉よりも先に感情が伝わり、しかも、言葉で伝えられる内容や情報量には限りがあるという事実。
ここにコミュニケーションの難しさと面白さがあります。

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