ミスが許されない医療現場で「完璧主義から脱却」リーダーの奮闘
今回は、総合病院のICUで看護師のリーダーを任された中元香代子さんにお話を伺いました。
完璧が求められる職場で不完全な自分に対して嫌悪感を抱く現状
病院という職場は「完璧であること」が求められます。
「ミスの原因を追求し改善する」という姿勢が当たり前。
徹底的な管理体制の中、私は、仕事でも家庭でも完璧を目指すあまりに、バランスが取れなくなっていました。
仕事では、後輩を教育していく立場やリーダーとしてメンバーを引っ張っていく立場であり、知識の欠如を発見したり、率先して実践できないことがあると、自分を責めていました。
「努力が足りない」と自分を追い込み、不完全な自分を受け入れられず、自分に対していつも嫌悪感を抱いているような状態でした。
人の思いを大切にするコミュニケーションで目的や価値観を満たす看護を
リーダーとしての在り方やコミュニケーションを模索していたこともあり、上司からの勧めもあったので、兵庫から東京へ通い学ぶことにしました。
アドラー心理学とコミュニケーションを学び、まず変化が起きたのが、患者や家族の思いを大切にする傾聴ができるようになったことでした。
「本当はどうなったらいいか?」「患者本人や家族にとっては、何が大事?」という視点で、積極的にコミュニケーションをとるようになった結果、ご家族の表情が明るくなって「今までそんな風に考えたことがなかったので目から鱗です。是非やりたいです」という発言を聞けたりしました。
本人や家族の目的や価値観を満たす看護とは?を、他の医療スタッフとも共有し、その軸で協力できるようになりました。
メンバーの価値観・看護観を取り入れることでコミュニケーションの質が変化
ICUの看護の質の向上という課題に対して職場全体で取り組んでいるのですが、現状分析(何が原因・問題か)だけでなく、リーダー同士でディスカッションをしたり、メンバー全員から自由形式で価値観や看護観などを提出してもらい、その結果を踏まえて今後の施策作りをしました。
勉強会を継続して実施していく方針となり、各立場の人が自分ごととして協力しながら進んでいること、職場でのコミュニケーションの質が、様々な側面から変化していることを感じています。
プライベートでも、以前より余裕を持って子どもに接することが増えました。
子どもと同じ目線で感情に共感したり、時には、俯瞰した目線で、子どもが理解できることばを選んで伝えることができるようになりました。
家族との会話でも、
「何が悪いんだろう」「ダメな理由は」ではなく、
「どうなったらいい?」「そのために何ができる?」
と考えるようになり、目的論が役に立っています。
中元香代子さんが参加されたコース
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