心理学だけでは説明できない・・・平本式カウンセリングの謎

心理カウンセラー西たかおこんにちは、ニシティです。

前回の記事(日常で使える”心理カウンセラーの話の聞き方”〜 夫婦や子供、部下や同僚、上司でもこの順番で聞けばいい 〜)では、落ち込んでいる人や相談に乗って欲しい人など、ちょっと元気のない人の話を心理カウンセラーならどう聴くのか、を中心に、私がうつ状態になった時の仕事の仕方や周りとの関わりについてもお話ししました。

「心理カウンセラーの話の聴き方」と書くと大袈裟ですが、実際には「ほんの少し」落ち込んでいる人にも有効で、むしろ日常の場面で使って欲しいです。

平本さんもセッション中だけでなく、スタッフやサポートとの日常会話でも同じ聴き方を使っていますね。

そして、今回は、私がうつ状態から脱したあと、どのようにカウンセラーになったのか、そして、うつ状態を経験したことで得た「ある気づき」についてお話しします。

実はこの「ある気づき」が、平本式を理解するうえで、すごく重要な気づきでした。その気づきをベースに、「心理カウンセリングに平本式のメソッドが有効な理由とは?」についてもお伝えします。

もういいや!えーい!と会社を辞める

さて、少しだけ私の昔話に戻します。

正直会社を辞めるまでは「どうしよう」「辞めて本当に大丈夫かな」と思っていた時もありました。
でも、限界が来たのだと思います。

とにかく会社から逃げ出したい!とにかく休んで寝たい!!!
そう思って会社を辞めてしまったんです。

もし自分が死ねば、団体信用生命保険で家のローンは完済できるし、他にも保険に入っているから家族の蓄えにもなるし、ウェブの仕事もできるから、もういいやー!えーい!と。

限界ギリギリでこの判断ができたことは、今思っても運が良かったなと思っています。なぜならうつ状態になると、心理的に辞めることがむずかしくなるんです。(本当はもう少し早く辞めてもよかった気もしますけど。)

そして辞めてから1カ月はとにかく寝続けました。

たまに自転車に乗ったり、友人と話したりはしましたが基本は寝ていました。
(寝ることって実は回復にすごく重要です。)

もし会社を辞めていなければ

もしそのタイミングで会社を辞めていなければ、おそらくですが私にはこんな変化があったと思います。

  1. 会社でのトラブルがさらに増える
    すでに社長と揉めていましたが、さらに他のメンバーとも揉め事が起こっていたかもしれません。うつ状態になると、落ち込んで頭が回らなくなったり、少しでも負担を感じることや人間関係に敏感になってイライラしやすくなります。
  2. 電車に乗れなくなる
    電車に乗ることを体が拒否して電車に乗れなくなります。それが原因で会社にいけなくなったり、無理矢理乗ってパニックになっていたかもしれません。
  3. 布団から起き上がれない
    布団から起き上がれないことはありましたが、それが日常的になり、会社には強制的に行けなくなっていたと思います。横たわりながらも責任や心配事で頭がいっぱいになり、死ぬ以外に楽になる方法はないと思い詰めるようになっていたかもしれません。

私はたまたま辞める判断ができました。ただそれでも、死んだ方がマシと思えるほど苦しかったです。うつの人は死にたいのではなくて、苦しさからどうにか逃げ出したいのだと、今ではわかります。

だからこそ、この苦しさを経験している人に、少しでも楽になって欲しくて、カウンセラーを志しました。

と言っても、うつ状態から回復した時はカウンセラーって仕事があることも知らなかったんですけどね笑

カウンセラーへの道

ではどうやって私がカウンセラーになったのか。

それは上記のように自分が「すごく苦しかった」という経験と、開業されているカウンセラーさんに、たまたまお会いする機会があったからです。

その方は産業カウンセラーをされていたため、私もまずは産業カウンセラーの資格を取得しました。

その後、知り合いの勧めでキャリアコンサルタントの資格も取得しました。そこから広がった縁で様々な心理療法や心理学を学び、危機介入の仕事も始めました。

※危機介入とは、身近な人の死や事故、犯罪や災害に巻き込まれる衝撃的な状況に対面した人やグループに行う短期的なカウンセリングのことです。

カウンセラーを志してから私は、カウンセリングに関することを徹底的に学び始めました。

それこそ、カウンセリングや心理療法と名のつくものは手当たり次第に勉強しました。交流分析や認知行動療法、解決志向アプローチ、神経言語プログラミング(NLP)などなど、とにかく色んな講座も受けに行きましたし、本も読みました。

そして学んだことをクライアントに実践し、「よくなっていく」事もたくさん経験していました。

平本式での衝撃

2014年にカウンセラーとして開業したのですが、平本式に出会ったのは2017年の11月の心理カウンセリング4日間集中コースです。

心理カウンセリングの技法は、600以上あると言われています。

平本さんは「心理療法の諸流派すべての技法を統合し、あらゆる症状を7つに分類して体系的に学べる」そうおっしゃってました。正直に言えば「そんなことできるわけねーだろ」と最初は半信半疑でした(笑)

学んでみて思ったのは、「マジか〜!学んだものが統合されている!すごい!」だったんですね。

ただ、平本式を学んですぐには「効果があることはわかるけど、何でそうなっているのか理解ができないな。」ということも多く、「どうしてなんだろう?」と改めて学ぶきっかけになりました。

平本さんが特に扱っているのは、相手の話す「内容」よりも、相手の「状態(ステイト)」でした。

そして、私自身もうつ状態だった時に「この状態って生物学的な反応」なんじゃないかな?とおぼろげに思っていたこともあり、そもそも「人間」という生物を理解できれば、「心理カウンセリング」で何が起こっているか分かるんじゃないか?と感じ、「生物としての人間」についても学び始めました。

それまでは心理学が中心だったのですが、脳科学や神経科学、記憶のメカニズムのような生理学的な分野、ポリヴェーガル理論、知覚・認知科学、進化心理学などより生理学的反応に近い心理の学びを通して「生物としての人間」を深堀りし始めたんです。

そうすると「あ、だからこうなっているんだ!」と、「心理」だけではなく「脳」や「神経」に様々な変化が起こっている!ということが知識としてつながるようになりました。

また、平本式の心理カウンセリング集中コースに継続してサポートさせていただくなかで、2018年末頃には平本式の心理カウンセリングの技法を使うことで何が起こっているのか?が徐々に説明できるようになってきたんです。

平本式のすごさは、この「生物としての人間」の持つ「習性」に働きかけていることです。

と言っても何だそれ?って思いますよね。

さて、カウンセリングセミナーに出席された方のなかには、周りに「表情が変わった!」という方を何人も見ているかと思います。

ではなぜ「表情が変わる」かご存知ですか?実はこの変化には明確な理由があります。

それこそ「人間の仕組みや習性」を知ることで、この表情の変化を理解できるようになります。

具体的には次回お伝えしますので、楽しみにしていてください。

writing by Takaaki yasui

 

 

心理カウンセラー 西たかお

西たかお(Nishi Takao ニックネーム:ニシティ)


心理カウンセラー。科学的な人間理解に基づく心理カウンセリングで、5,000人以上の悩みの解決をサポート。うつ、自殺予防、グリーフケアなどの領域の心理カウンセリングを得意とする。
以前は、コミュニケーションが苦手なIT・エンジニア系プレイングマネージャー。様々な問題を1人で抱え込み、身体不調からうつに。死ぬことしか考えられない日々の中で心理学を学び始める。同じ思いを抱える人を支援するため、心理カウンセラーとして活動をスタートし、独立開業。
企業の相談室での心理カウンセラー、コミュニケーション指導や少年院での心理カウンセリング、事故災害後のメンタルケアなども経験。
心理カウンセラーの専門家として、10年以上の経験・実績。
平本式では、心理カウンセリングのスーパーバイザーとして、また、瞑想リトリートの企画・アドバイザースタッフとしても活躍している。

前回の記事(日常で使える”心理カウンセラーの話の聞き方”〜 夫婦や子供、部下や同僚、上司でもこの順番で聞けばいい 〜)ははこちら

本文と関連のある集中コースはこちら

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