カウンセリングのヒント:7つの発生要因と3つの感情レベルとは?
「相手のことなんて気にしないでいい」
「楽観的に考えよう」
「イヤなことは忘れてしまおう」
「自分が楽しめることをしよう」
「リラックスしてやろう」
あなたは聞いたことはないだろうか。
悩みに対する「〜しよう」系のアドバイス・・・
SNSやニュース記事でもよく見かけるし、心理に詳しそうな人が解説している
「ああ、なるほど・・・!」
「確かにその通りだ・・・!」
と・・・
パッと見ロジカルっぽい説明を真に受けてやってみても・・・
できたり、できなかったりする・・・!
どういうこと・・・? 科学的に正しいアドバイスなんじゃないの・・・?
自分の問題を「科学的に正しいやり方」で解決できたとしよう。
同じやり方で目の前の人ができないとき・・・あなたならどうするだろうか?
カウンセリングにおいても、似たようなことがよく起こる。
何年もかけて学び、磨いてきた「正しいアプローチ法」
クライアントの問題を解決する方法は・・・
「これだ・・・!」
非の打ち所のない、ロジカルな解決策が炸裂・・・!
そしてクライアントの反応はこうだ。
- やる
- やりたくないのでやらない
- 身体が拒否してやれない
1はいい。うんうん、ぜひ続けてくださいね、と応援すればいい。
問題は2と3。
うーむ・・・そんなとき、相手のせいにして腹を立てたり、批判的になったり・・・
ついやってしまうカウンセラーの方はいませんか・・・?
正直、昔の私はしていました・・・当時を思い出して・・・反省です。
この問題の核心は、人間に起こる問題を独立した事象として捉えていることにあります。
「AだからBをすれば良くなる」とシンプルに捉えてしまっている。
世にある心理解説や心理的にかじったような報道を見てもわかりますが、実際はそう単純ではありません。
- 個人的経験
- 心身の状態や特性
- 本人以外の環境(特に対人関係)
このようなものがリアルタイムで相互に影響し合っています。
多くの場合、複数の問題が絡み合って、別の問題になっているのです。
つまり、解決のためには、「部分」と「全体」の両方を扱わねばならないのです。
「まじかよ・・・むずかしそう・・・」と思うかもしれませんが、大丈夫・・・!
これを解決する統合的アプローチ法が存在します。
それが平本式の・・・
「心理的症状の7つの発生要因」
「3つの感情レベル」
です。
症状解決の仮説検証ツールで
2つを組み合わせて使います。
心理的症状の7つの発生要因
どの要因がどの程度影響を及ぼしているかを検討しアプローチ範囲の仮説をつくるツールです。
「7つの要因」は神経科学や脳の情報処理をもとに構成されています。
- 幸せ像
- 気にしすぎ
- メリット
- スキル不足
- 混乱
- 引き金
- トラウマ
これらを組み合わせると、人間の悩みの種類をおおよそ網羅できてしまいます。
3つの感情レベル
対処の深さを検討し、具体的なアプローチ法の仮説をつくるツールです。
わかりやすく3段階になっていますが、実際は連続しています。
- 行動レベル・・・やれば変わる(顕在意識レベル)
- 認知レベル・・・気づく体験で認知が変わる(潜在意識レベル)
- 情動レベル・・・身体反応の解除(身体レベル)
クライアントの反応に対応できるのがわかります。
- やる
→行動レベルの対処で続けてもらう - やりたくないのでやらない
→認知レベルの対処でやろうと思える状態にすることが必要 - 身体が拒否してやれない
→情動レベルの対処で身体反応を解除することが必要。
どの深さで対処するか、仮説検証しながらレベルを変えていくことで、人間の悩みの深さに対応しながらおおよそ網羅できます。
2つのツールを組み合わせ、それに対応した具体的な対処を施していくことが可能になります。
改めてまとめると
「すごいツールだなぁ・・・!」
そして具体的に習得すると、今まで学んできた「科学的に正しいやり方」のTPOがわかるようになり、
この2つのツールを学ぶことで過去の学びや経験を、さらに生かせるようになるのです・・・!
これぞ人類の叡智・・・!というわけで・・・
心理カウンセリング実践コースでは7つの発生要因と3つの感情レベルを分解整理してひとつひとつ学びます。
日常やカウンセリングのセッションが、よりスムーズに、効果的になることでしょう。
色々な立場のみなさんがいらっしゃると思いますが、ぜひ一緒に楽しく学んでいきましょう。
西たかお(Nishi Takao ニックネーム:ニシティ)
心理カウンセラー。科学的な人間理解に基づく心理カウンセリングで、5,000人以上の悩みの解決をサポート。うつ、自殺予防、グリーフケアなどの領域の心理カウンセリングを得意とする。
以前は、コミュニケーションが苦手なIT・エンジニア系プレイングマネージャー。様々な問題を1人で抱え込み、身体不調からうつに。死ぬことしか考えられない日々の中で心理学を学び始める。同じ思いを抱える人を支援するため、心理カウンセラーとして活動をスタートし、独立開業。
企業の相談室での心理カウンセラー、コミュニケーション指導や少年院での心理カウンセリング、事故災害後のメンタルケアなども経験。
心理カウンセラーの専門家として、10年以上の経験・実績。
平本式では、心理カウンセリングのスーパーバイザーとして、また、瞑想リトリートの企画・アドバイザースタッフとしても活躍している。
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