“白紙で共感” ・・・平本式のカウンセリング4日間集中セミナーでは最初の方に触れる、カウンセラーの基本姿勢だ。クライアントの話を何も知らない前提で聴き、共感する。「ああ・・・言っている意味はなんとなくわかる・・・大事なのもわかる・・・では、具体的にどんな手順でやればよいだろう?できたかどうか、どうやったらわかる?うーん・・・」
そう。白紙で共感・・・概念はわかるが、実践しようとすると雲をつかむような話だったりします・・・。私自身、はじめはブルース・リーの「Don’t think. Feel!」くらい何をやればいいかわからなかった・・・(※ブルース・リーの方は今もわかりませんが・・・)
白紙で共感。実はやることが複数同時進行。ひとつずつ練習が必要なのです。というわけで、実践コースでは一番最初に学んで、最後までひたすら使い続けます。最後はみんなベテランカウンセラーの如く、じっくり聴けるようになっていて感動的でした・・・。
さて、「白紙で共感」については、以下の2つに分けてお話をしたいと思います。
- 成功の目安
- 白紙
今回は、「成功の目安」について解説し、次回に「白紙」について解説していきますね。
成功の目安
カウンセリングは目的のある会話です。したがって、目的を明確にする必要があります。
基本的な目的を一言で表現すると、「感情的な問題解決」と言えます。感情が動いたエピソードを聴き、深堀りして本質的な課題を探り当て、仮説検証していく・・・。この繰り返しでカウンセリングが進行するのです。
白紙で共感の役割は、その感情を底をつくまで聴くこと。つまり、完了させていくことになります。完了すると、「スッキリした状態」になって、「その感情についての話題が終わった」感じになります。これがすべてではありませんが、白紙で共感の成功の目安となるのです。
話題の終わり方は内容によりますが、スッキリしてただ話が終わることもあれば、落ち着いて考えられるようになって、別の視点で語り出したりすることも。なお、終わるときは一瞬無言になることが多く、よく観察しているとわかるようになります。
日常的な話題であれば、白紙で共感だけでも十分スッキリした感じになることがほとんどでしょう。逆に、白紙で共感ができていないと、似たような感情的な話題がグルグルと続く・・・もしくはヒートアップする・・・。みなさんも経験はないでしょうか?親が同じ話を延々と続けてウンザリしたり、身近な人との口喧嘩でいつのまにか昔の話題をほじくり返されるのを・・・!
これはこれで、白紙で共感の軌道修正が必要な目安となります。白紙で共感ができているほど、相手の感情が素早くおさまっていき、聴いてもらった感とともに落ち着くのです。これはネガティブな話題に限らず、楽しい話題も”聴いてもらった感”があると満足度が高まるのです。
というわけで、練習でも日常の実践でも、相手が言い切って一息ついた(止まった)感じになるところまで聴いてみましょう。何度か繰り返すと
感覚がつかめてきます。(※カウンセリングではフィードバックシートを使って確認する方法もあります。)
まとめ
- できている・・・スッキリして話が終わる/次の展開に行く
- できていない・・・似たような感情の話が続く/ヒートアップする
これがわかっていると、カウンセリングが非常にやりやすくなります。
長くなったので、白紙の実践については次回に・・・!
西たかお(Nishi Takao ニックネーム:ニシティ)
心理カウンセラー。科学的な人間理解に基づく心理カウンセリングで、5,000人以上の悩みの解決をサポート。うつ、自殺予防、グリーフケアなどの領域の心理カウンセリングを得意とする。
以前は、コミュニケーションが苦手なIT・エンジニア系プレイングマネージャー。様々な問題を1人で抱え込み、身体不調からうつに。死ぬことしか考えられない日々の中で心理学を学び始める。同じ思いを抱える人を支援するため、心理カウンセラーとして活動をスタートし、独立開業。
企業の相談室での心理カウンセラー、コミュニケーション指導や少年院での心理カウンセリング、事故災害後のメンタルケアなども経験。
心理カウンセラーの専門家として、10年以上の経験・実績。
平本式では、心理カウンセリングのスーパーバイザーとして、また、瞑想リトリートの企画・アドバイザースタッフとしても活躍している。
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