原因が“完了できなかった感情”にある場合
みなさんは、人間関係のモヤモヤ、イライラがコントロールできない、ということはありませんか?
誰しも人生の中で、「苦手な人」や「嫌いな人」を理由に悩んだことがあると思います。仲が良かったはずの友人や恋人、先輩後輩、上司や部下との関係が、ちょっとしたきっかけで急激に悪化してしまうこともありますよね。
- 〇〇さんを見てると、イラッ!として、無性にムカつく…
- 〇〇さんの言うことには、つい反感を持ってしまう…
そして、ついつい相手を責め、相手を責めてしまう自分自身を責め…という悪循環に陥っているとしたら…。人生の貴重な時間をそんなことに費やすのはもったいないと思いませんか?
実は、人は「完了できなかった感情」を引きづって、目の前で起きていることに、先入観を持ってしまう生き物です。もしかすると、そのイライラの原因は目の前にいる相手ではなく、自分の内側の「過去の感情」に起因しているのかもしれません。
このような感情の仕組みを理解し、
- 行動・認知・情動の3つのレベル
- 7つの発生要因
をふまえてアプローチできるようになると、不思議なくらい、あっという間に人間関係の問題が解消していきますよ。
「心理カウンセリングのメカニズム」に基づいたアプローチ
わかりやすいように、具体例を挙げながら解説します。
亜矢さんは28歳。「自分の力を試したい!」と、求人広告の会社で企画営業の仕事をしています。人を大事にする誠実な仕事ぶりで、客先からも信頼され、月間の営業成績No.1のタイトルも何度か獲得しました。
そんな亜矢さんですが、2つ後輩の結衣さん(仮名)の存在に、いつもイライラしています。
学生時代に読者モデルをしていたという結衣さんは、見た目も可愛らしく、「オンナの子、オンナの子」して見えて、どうしても本気で仕事をしていると思えません。媚びたような、馴れ馴れしい口調にも腹が立ちます。
にもかかわらず、むしろ、だからこそ、客先の飲食店の店長たちに可愛いがられ、あっさり契約を取ってくるところがムカつきます。亜矢さんが憧れている男性の先輩に対しても、「〇〇さーん、飲みにいきましょ~!」とあっさり誘ってしまうのにもイラっとします。
このイライラは、明らかに亜矢さんの仕事のパフォーマンスにも悪い影響を与えていて、そんな自分に対して、さらに自己嫌悪を繰り返します。
でも、実は、亜矢さんは気がついていたのです。
オンナの子らしくてカワイイ、3つ下の妹と似たタイプの女子に、自分がイライラしてしまいがちなことを。
ずっと悩まされてきたこの問題を解決するために、悩みを相談することにした亜矢さんは、カウンセラーから、「同じパターンを繰り返している場合には、癒されていない過去の惑情がある」と教えてもらいます。
カウンセリングを続ける中で、亜矢さんの場合、それは「7歳の時の親戚の集まり」 だということがわかり、こんな記憶が蘇りました。
妹には、みんなが寄ってたかって、
「カワイイわねー!お人形さんみたい!」
とちやほやしています。
でも、亜矢さんには、
「しっかりしてるわねー」
それしか言ってくれません。
そこで亜矢さんは思ってしまいました。
「私は可愛くないから、愛されないんだ」
そして、こう決めたのです。
「しっかりしてたら、認めてもらえる」
このように、子どもの時に「生きるための戦略」として決めてしまったことが、大人になってから、自分の人生を不自由に縛ってしまうことがあります。
この場合は「変化の起きる3つのレベル」の「情動・身体レベル」に対するアプローチが有効です。
情動・身体レベルのアプローチの流れ
カウンセラーが、判断・評価・分析することなく、身体・感情を誇張しながら、徹底的に白紙で寄り添う・共感することで、亜矢さんは「7歳の時の親戚の集まり」 の場面をありありと思い出し、その時の惑情を再体験することができました。
最初は、妹に対する「あんたなんか、大っ嫌い!」という気持ちでいっぱいだった亜矢さん。
でも、本当に言いたかった言葉を探っていくと、別の感情が見えてきました。
それは「私のことも見て!!!」という思いでした。
カウンセラーに促され、当時の自分に戻り、お父さん、お母さん、親戚のおじさん、おばさんたちに向かって、思いっきり感情を込めて、声に出して言ってみます。
「私のことも見て!!!」
すると不思議と心がふっと軽くなり、亜矢さんの気持ちはスッキリしました。
そして、カウンセラーの誘導で、今度は妹の立場に立ってみました。
「お姉ちゃんのこと、大好き!」
そんな気持ちが感じられました。
「そういえば妹は、いつも私の後にくっついてきたな…」
ふっと、幸せだった子ども時代のー場面を思い出しました。
翌日、会社に行くと、
「あれ?後輩の結衣さんにイラっとしない。むしろ、人懐っこくて、カワイイかも…」
媚びてるように聞こえてた電話も、
「この子、けっこうマメにお客さんのフォローをしているのね」
と思えるようになりました。そして亜矢さんは、憧れの男性の先輩に、「〇〇さーん、 飲みにいきましょ~!」と、思いきって誘ってみることができたのです。
完了できなかった感情と決着をつけるために
いかがでしたか?
亜矢さんは、
- 「私は可愛くないから、愛されない」
- 「しっかりしてたら、認めてもらえる」
という、7歳の時に自ら選んだ間違った思い込みを手放すことで、人生が軽やかに、生きやすくなりました。
私たちの脳は、自分が「信じていること」に基づいて選択をします。
あなたもそのメカニズムを知って、人間関係の悩みを解決するツールを手に入れませんか?
学んで損はありませんよ!(笑)
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