介護の現場で離職率が大幅に下がった1on1ミーティングとは?〜 部下の価値観を知るとマネジメントが楽になる!~
本記事は、平本式ライフキャリアデザインコースや現場変革リーダー養成コースを受講したあと「受講生にどのような変化があったか」をインタビューし、その内容から抜粋してまとめたものです。今回、インタビューにご協力くださったのはそのさんです。
園 吉洋さん (そのさん)
株式会社ライフパートナー 代表取締役
元アスリートで、マラソンでの怪我をきっかけに引退。准看護師の資格を生かして仕事をするうちに、「患者さんを最期までみとりたい」という思いが強くなり、25歳のときに介護施設を立ち上げる。
現在は、山形で老人ホームやデイサービスの施設を経営するかたわら、他社のアドバイザーをしたり、私塾を開講。
株式会社ライフパートナー
http://megumiday.com/
以前は自分の理想を押しつけていた
私が経営する介護施設は今期で14期目を迎えます。
現場変革リーダー養成コースに入学する前から、私自身の自己肯定感は高く、すごく幸せを感じていました。
自分の理想とする介護もできていました。
ただ、今思うと、自分自身は良かったのですが、他人へのダメ出しがすごく多かったんです。
元はアスリートだったからか、競争社会に入った手前、中途半端なことが許せませんでした。
「もっとできる!」
「何でやれないんだ!」
「何で分かんないんだ!」
といった具合です。
経営してみて初めて「他人は自分の期待通りには動いてくれない」ということに気づきました。
社員に対して自分の理想や願望だけを押しつけて、「育つやつだけ育てばいい!」という考えをしていましたね。
最低なパワハラ社長だったなぁと思います。
そのさん自身は、本当に介護業界をより良くしたい一心でやられているんですよね。
利用者さんに「みとられるまで幸せに生きてほしい」という気持ちで、利用者さんを思えば思うほど、働く側に厳しくなっちゃうんですよね。
自分の仕事を部下に振れるように
現変を受講後、社員に「社長変わりましたよね」って言われました。
自分ではあんまり自覚はありませんでしたが、気づいたら以前よりも人を信頼できるようになっていました。
具体的に変わったことは「自分の仕事を部下に振って、手放すことができるようになったこと」です。
おかげで自分自身もかなり楽になりました。
部下からしても、私から仕事を任されることで初めて、お互いに信頼しあえる関係になれたんだと思います。
部下に仕事を振るときに気をつけたこと
また、部下に仕事を振るときに気をつけたのが「スケーリング」です。
相手に「私の100点」を求めないことを心がけるようにしました。
それにより、部下には「最低限やってほしい60点」「もうちょっと上の80点」のように、レベルを決めて仕事を振れるようになったんです。
部下も自分で仕事をできるようになったし、私自身も楽に仕事を手放せるようになりました。
仕事を「やる・やらない」の二択ではなく、スケーリングでここまでできたら10点、20点、…70点って数字を振ってあげる。
そうするとスタッフの中にも、スケーリングができるようになります。
スタッフが「自分でここまでできた!」と面白くなってくれば、スタッフ自身でスケーリングしてくれるようにもなります。
上司が全部管理しなくてもよくなりますね。
以前は、自分について来られない人に言語化して伝えるのが難しく、その方たちが離れていったのだと思います。
でも、平本式で学んだあとは、体系化してうまく人に伝えられるようになったのでは、とも感じています。
対話型マネジメントの導入により離職率が大幅に下がった
介護業界は離職率が高いことで有名です。
そんな状況の中、私の会社では対話型のマネジメントである「1 on 1ミーティング」をはじめました。
1 on 1 ミーティングで、その人が「職場でどんな価値観を持って働いてるか」を掘り下げて、会社との共有ゾーンを探していったんです。
その結果、離職率が下がり、中間管理職も順調に育ってきています。
今では「そのやり方を教えてほしい」と、地域や法人に呼んでいただいて研修もしています。
「介護を作業にしない」という方針の一般社団法人も作り、そちらでも会社を経営しています。
介護の現場はワクワクできる空間づくりが大事
介護や医療って、基本的にミスが許されません。でも「ミスするな!ミスするな!」って方針の教育では、過緊張によりパフォーマンスが下がる一方です。
そこで、私の会社ではリソースフルを重視しています。
「もう、楽しくってワクワク!だけど、適度な緊張感や真剣さを持ってやろう!」
そんな空間づくりがすごく大事になってきます。
研修や私塾では、その辺りを詳しくお伝えしています。
一人ひとりの価値観を知ればマネジメントが楽になる
現代は、価値観が多様化しています。
一人ひとり年齢も性別も、働く理由も違う中で、「相手の価値観を知ること」は経営者としての武器になるんです。
経営者の方から「なんでうちの職員はこんなに育たないんだ」とよく相談されます。
その際に「上司のあなたは部下の価値観を知ってますか?」と聞くと、
「分からない。うちの方針や理念はこうだから、これに従ってもらえればいいんだ」
と返ってきます。
私も以前は同じ考えだったんです。
でも、部下の価値観を知らなければ、どこかで私の考えと部下の考えがぶつかってしまい、部下が離れていったり、リソースフルな状態ではなくなってしまいます。
今は、一人ひとりの価値観を知ったことで、すごく楽になりました。
私は「対話型マネジメント」のスキルを学べて、本当に助かっています。
いかがでしたか?
本記事は、現場変革リーダー養成3ヶ月コースを受講したそのさんのお話しを要約したものです。
次はあなたが、この変化を体験してみませんか?
writing by Takaaki yasui
そのさんが参加されたコース
あなたのリーダーとしての成長とチームの成果が待っています。